Nokia Multimedia Transfer
iPodと言えば泣く子も黙るDMPだ。しかしよく知られている通り単にDMPとしての機能を見る限りiPodが特段優れているわけでもなく偉いのはiTunesとiTunes Music Storeであった。そこで誰もが考える。「iTunes対抗アプリケーションなんか作ってももう勝てないよね。むしろiTunesはOSみたいなものと考えて、iTunesにぶら下がるようにしてしまえ!」。ネットワーク外部性が働くこの界隈では独占が自然なので(※1)、Nokiaのこの選択は賢明であろう(※2)。※1 独占を認める代わりに監視と規制を用意するのが常道というものだがそれは存在しない。今のところは大した問題はないようだが心配は尽きない。
※2 Nokiaは同時にNokia Music Storeも始めた。しかしそこはWindows+IEもしくはNokia端末わずか2機種にだけ対応という体たらくで、とてもやる気があるようには見えない。
Nokia Multimedia TransferはMac OS Xシステム上でiTunesおよびiPhotoのデータ(つまり音楽、写真、ビデオ)、そしてSafariブックマークをNokia端末との間で転送(同期)するアプリケーションである。詳細は検索すればすぐわかるが、データフォーマット変換もしてくれるのでそれなりにラクチンだ。これで電脳パンツはiPod的な何かと化した。
DMPというと音質の問題がある。耳の良い人々は色々と言うのだが、極論を言えばCDにした時点でもうケチがつくのだから何をどうしようと五十歩百歩でありこの際気にしない。そこで工夫するとしてもせいぜいヘッドフォンをどうするかぐらいの話となる。音漏れははなはだ格好が悪いのでカナル式にする。情けないことにE61のBluetoothはA2DPをサポートしていないので有線となる。ケーブルは絡まるものだ。そこで巻き取り式を探す。それなりに品揃えはあったが、巻き取り式の弱点はリール部の重さなので、今回は多摩川電子(最近名前が変わった)のmu:grapher Z-233/234にした。233が黒で234が白。クリップが重要である。E61への接続にはNokia純正のAD-15を用いる。途中に小箱が付くので少々不細工だが、E61は腰に装着してあるのでケーブルは上着の裾の内側に入ってしまいAD-15は外からは見えないので良しとする。AD-15は黒だからZ-233が良い。N82は白を調達したのでZ-234を追加調達した(※3)。
※3 N82はA2DP/AVRCP対応のBluetoothを持つからヘッドフォンは有線でなくともよい。しかしFMラジオを聞くにはアンテナとして有線ヘッドフォンを装着する必要がある。ラジオは意外に便利なものなので、やはり有線ヘッドフォンがあると重宝なのである。
さすがにSymbian OSだけあって音楽を聴きながらウェブブラウズの最中に着信して通話などという状況でも問題はない。これだね。単なるヘッドフォンでなくヘッドフォン兼用のヘッドセットがあればさらに完璧だろう。AD-54を挟めば不格好だが一応実現できるようだ。