Lotus 123
Lotus 1-2-3。年配の方は「ロータス」と呼んでいた。それは会社名だと言っても理解できないようだった。自動車でないだけましだったのかもしれない。1-2-3には二つの側面があった。ひとつはスプレッドシートであり、もうひとつはマクロエンジンである。現代では誰もがMicrosoft Excelなどの「表計算ソフト」を使う。が、あらためて数値計算の意味で考えれば、いかに「計算」していないか、それはもう驚くほどだ。足し算 (合計)と割り算(増減率)以外の計算、最近しましたか? でも元来スプレッドシートは「表計算」ではなくて「拡張用紙」だから、それでいいのだ。文書の特定部分(セル)をアドレッシング可能にしておいて部分同士を結びつけた処理を行う、というのがスプレッドシートの本質である。いたるところハイパーリンクとも言えるわけで、これを考え出した人はやっぱり天才だ。これに比べれば埋め込みオブジェクトなんか大した発明ではない。実身仮身モデルもかすんで見える。
マクロエンジンという見方は、当時の状況を知らない人にとっては意外かもしれない。だが1-2-3のマクロはキーボード操作をほぼそのまま書き下すという 実に手動からシームレスな方式を採っていたこともあり、たくさんの人々がマクロを当たり前に書くという今にして思えば驚嘆すべき状況を生んでいた。私自身 は1-2-3 R2.2あたりからR2.5Jまで使い、途中で1-2-3 Notebookという変わり種もちょっとだけ使ったことがある。NotebookはMicrosoft Works(DOS版)が出たあたりの廉価版ブームに合わせリリースされたものだったように思うが、一番の特徴はマクロが「使えない」ことだった。マクロ のない1-2-3を使ってみたら、いかに欠落感が漂うものであったことか。1-2-3はマクロエンジンであり、メニューシステムであり、ランチャーであっ た。値段はそれなりにしたが。
スプレッドシート
少なくともE61の場合はSheetまたはQuickOfficeがあるので、スプレッドシートはそちらにお任せでよい。
マクロエンジン
これはないね。どうしようか。